2012年4月13日金曜日

書籍 : ジョイス マンスール


マルドロール発行 河出書房新社発売 1997 227頁 ※付録


薔薇十字社版


アンドレ・ブルトンから「今世紀の錯乱の園」と評され、シュルレアリストとして迎えられたエジプト生まれの美貌の女流詩人、ジョイス・マンスールの激烈な性愛闘争を物語った本書『充ち足りた死者たち』は、「マリー、または傳ずくことの名誉」、「日曜日の痙攣」、「肉腫」の3つの中短編を収録したもの。1972年に薔薇十字社から刊行後、1984年に白水社から復刊されますが、それ以降は「幻の」書物となっていました。そしてようやく1997年に古書肆マルドロールから装いを新たに3度目の刊行となり、現在入手が可能になっています。本文に添えられた6点の挿画は、原書の装幀者マックス・ワルター・スワーンベリによるもの。イメージや形態が唐草模様のように広がり混じりあう甘美な作品世界は、小説と見事にあいまって読者を酔わせます。

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