刊行年 著 者 書 名 部 数 版 型 挿画等
1969.2.28 辻邦生「北の岬」 限定200部 270×200 仮綴り装
1969.8.10 小川国夫「心臓」 限定226部 225×147 ( 挿絵中村善種2葉)
1970.4.15 辻邦生 「風塵」 限定100部 250×180 挿絵木村茂
1971.2.25 小川国夫 「闇の人」 限定70部 215×147 挿絵有生夫
1971.6.15 高橋睦廊 「頌(ほめうた)」限定35部 220×165 挿絵谷川晃一
1971.8.10 吉行理恵 詩集「道化の鳥」限定50部 180×180 挿絵加藤清美
1971.8.30 塚本邦雄 自選歌集「茴香變」限定300部 230×145
1971.9 野田理一 詩集「記録1962〜1951」限定200部 225×190
1971.10.20 鶴岡善久「すでに行き過ぎたものにとって」限定150部 225×195 挿絵坂東壮一
1972.1 塚本邦雄 肉筆歌集「蒼鬱境」限定20部 275×215 自作歌三十首を見開きに墨書
1972.2.20 野田理一「日野椀の転生」 限定120部 230×170
1972.3.30 塚本邦雄「紺青の別れ」 限定30部 210×159 挿絵J・シュマイサー
1972.5.1 須永朝彦 歌集「東邦花傳」 限定150部 257×170 挿絵塚本青史
1972.6.3 秦恒平 「春蚓秋蛇」 限定100部 240×170
1972.7.10 加賀乙彦 「雨の庭」 限定130部 240×170
1972.12.10 辻邦生 「神さまの四人の娘」限定200部 155×110 表紙 装画木村茂
1973.3.21 塚本邦雄「青帝集」 限定250部 210×150
1973.5.1 塚本邦雄 肉筆本「青帝集」限定20部 270×240 装幀製函森口太郎
1973.7.30 辻邦生 「安土往還記」 限定300部 252×185
1974.3.25 塚本邦雄 「黄冠集」 限定100部 190×135
1974.5.20 田中清光 詩集「幻花 聖衣奔放」 限定130部 170×125
1974.11.15 秦恒平 歌集「少年」 限定250部 238×143 題箋木版 自刻湯川成一
1974.12.30 宇佐見英治 「秋の眼」限定190部 213×170
1974.12.30 岡田露愁 木版画画集「魔笛」 限定99部 600×475 木版画 岡田露愁
1975.5.20 赤尾兜子 肉筆句集「龍の裔」限定18部 320×243 自選三十句を墨書
1975.6.1 吉岡実「神秘的な時代の詩」限定150部 238×180(表紙/黒崎彰木版画)
1975.9 赤尾兜子 句集「歳華集」 限定30部 215×150
1975.11.10 赤尾兜子 句集「龍の裔」限定100部 152×120
1975.12.20 加藤周一 「加藤周一詩集」限定150部 240×200
1976.6.10 加藤周一 「加藤周一歌集」限定150部 195×95
1976.12.5 塚本邦雄 「感幻樂」 限定15部 235×155 表紙/山本六三銅版画
1976.12.15 望月洋子 「加津佐物語」 限定500部
1976.12.20 加藤周一 「薔薇譜」 限定15 部 180×160 表紙柄沢齊水彩
1976.12.25 秦恒平 「墨牡丹」 限定200部 213×140
1977.4.30 谷崎潤一郎 「谷崎潤一郎家集」限定130部 230×132
1977.7.30 長谷川敬 「青の儀式」 限定100部 B6判 挿絵根本啓(銅版画1葉)
1977.10.30 小川国夫 「花深き」 限定150部 190×150
1977.12.25 赤江獏 「マルゴォの杯」限定150部 172×155
1978.1 今井田勲 「鶏留啼記」 限定77部 1978.9.20発行の普及本の特装
1978.4.5 杉本秀太郎訳「ペレアスとメリザンド」限定100部 255×175 挿絵柄沢齊
1979 柄沢齊「ぺレアスとメリザンド」限定20部 250×200
1979.7.25 三浦敦史 「レコードのある部屋」限定50部 A5判 挿絵画二見彰一
1979.8.30 赤江獏 「芙蓉の睡り」 限定150部 172×155
1980.6.15 加藤周一 「美しい時間」 限定150部 140×140 つつ描型染装画望月通陽
1980.9.10 伊藤海彦 詩集「影の変奏」限定626部 215×120
1981.6.15 高橋啓介 「山の限定本」 限定100部 155×215 表紙型染布装望月通陽
1981.10.31 望月通陽 染絵本「oedipus」限定70部 425×340型染め望月通陽表紙
1982.6.10 高橋啓介 「江川 山本 野田の限定本」 限定300部 155×215
1983 高柳誠 詩集「卵宇宙 水晶宮 博物誌」 限定50部 限定50部 表紙柄沢齊
1983 平野遼 「熱風の砂漠から」限定300部 360×275 水彩肉筆画入り
1983.7.20 時里二郎 詩集「胚種譚」 限定30部 240×150 装画北川健次(銅版画1葉)
1983.12.20 高橋啓介 「向日庵、宗悦、志功の限定本」 限定250部 155×215
1983.12.25 高橋啓介 「関野、初山、萌木の限定本」 限定200部 155×215
1984 山田喜代春 「人物抄」 限定30部 280×230 木版詩画12枚
1984.8.5 寿岳文章 「和紙落葉抄」 限定60部
1984.9.30 伊藤海彦 「微風抄」 限定200部 190×100 芋版山むろしんじ
1984.9.30 高柳誠 ほか「容器」 260×180 古版画を全面印刷
1985 高柳誠 詩集「綾取り人」限定30部 182×162 装画柄沢齊
1985.2.28 岩城宏之 「屋上の牡牛」 限定160部 200×125 函染め望月通陽
1985.6.10 柄沢齊 「雅歌」 限定70部 190×135 (オリジナル木口木版画8葉)
1985.7.31 有田佐市 小説「針ノ木雪渓行」限定70部 170×120 挿絵斎藤修
198610.2 山室眞二 「奇妙な地図」 限定70部 180×150 著者多色木版画1葉
1986.5.5 辻邦生 「デュファイ ある転換期の芸術家の肖像」限定88部 200×150挿絵坂東壮一
1986.8.15 永田耕衣 句集「物質」 限定50部 190×135 肉筆画一枚入
1986.12.10 堀田善衛 「聖者の行進」 限定100部 210×146 挿絵柄沢齊(木口木版5葉)
1987.6.15 高橋啓介 「蒐書三昧 限定本彷徨 上下」 155×215 松原邦秀型染め版画装
1987.12.30 高橋啓介 「日本の限定本百粋」限定20部 155×215 大家利夫装幀製本
1988.8.20 伊藤海彦 「渚の消息」 限定200部 160×150 挿絵著者
1990.4.30 辻邦生 「黄昏の古都物語」限定60部 210×170 望月通陽染布 挿絵二見彰一
1992 山本六三「夢の破片」 限定100部 230×120オリジナル銅版画1葉
1992.8.3 塚本邦雄 「波瀾」 限定25部 A5判 瀬戸照(デッサン1葉)
1992.8.30 塚本邦雄 肉筆歌集「星漢帖」 限定20部 230×310 歌十二首題箋自筆貼付
1993 以倉紘平 詩集「地球の水辺」 限定30部 180×200 ペン画望月通陽
1993.10.20 伊藤海彦 「午後の牧歌」 限定50部 山室眞二(芋版画4葉)
1993.12.1 富士川英郎「読書点心」 限定100部 B6変型 装画柄沢齊(木口木版2葉)
1994.6.30 白洲正子 「比叡山回峰行」 限定100部 220×160 挿絵表紙型染望月通陽
1994.11.10 田中清光 詩画集「空峠」 限定60部 240×185 装画串田孫一(肉筆4葉)ほか
1995.6.1 永田耕衣 句集「自人」 限定50部 210×140 肉筆自句画賛一葉
1995.9.15 塚本邦雄 「献身」 限定100部 A5判
1996.7.1 車谷長吉 「抜髪」 限定100部 200×150 表紙布制作上田恭子
1996.10.1 永田耕衣 句集「只今」 限定30部 A4判
1996.10.30 加藤静允 「窯庭遊話」限定50部 240×190 肉筆画一点
1996.12.10 永田耕衣 肉筆句集「愛虚集」限定22部 315×210 肉筆十句画賛一葉 自筆題箋
1997.6.20 加藤一雄 「無名の南画家」 限定100部 200×170 装幀・ 色挿絵戸田勝久
199711.3 赤尾兜子 句集「稚年記」 限定50部 175×110
1997.12.10 田中清光 詩集「山の月」 限定100部 230×160 装画大谷一良 (木版画3葉)
1998.6.20 杉本立夫 「大吉」 限定20部 240×168 肉筆墨彩画二点題箋肉筆
1998.11.29 杉本立夫 「泥牛杉本立夫」限定30部 255×215 表紙平に肉筆画
1999 永田耕衣 句集「泥」 限定20部 A4判
1999.5.29 加藤静允 「細石微風帖」 限定530部 257×150
2000.3.30 加藤静允 「遊泥二人集」 限定100部 B5判
2000.5.30 車谷長吉 「車谷長吉句集」限定100部 190×150 肉筆一句落款
2000.10.30 加藤周一「失われた指環」 限定100部 165×120 挿絵冨長敦也(銅版画)
2000.11.15 加藤静允 「春夏秋冬帖」 限定500部 200×270
2001.12.30 桑村綾 「和久傳」 限定350部 218×185
2002.7.31 田島隆夫 「田島隆夫の織りと繪特装本」限定14部 276×226
2002.11.24 加藤静允 「細石翁釣魚自傳」限定500部 250×210 著者原画
2004.10.30 加藤静允 「春夏秋冬帖拾遺」限定500部 200×270
2005.7.1 車谷長吉 「車谷長吉恋文絵 限定100部 160×200
2006.7.20 加藤一雄 「京都畫壇周邊」限定20部 215×160 挿絵戸田勝久
2007.8.30 車谷長吉 句集「蜘蛛の巣」限定100部 185×150 署名落款
2008.2.1 加藤静允 「景徳鎮古窯越州古窯南宋官窯址訪記」 限定20部 肉筆画一点
2009年2月7日土曜日
2009年2月6日金曜日
2009年2月4日水曜日
映像 : 佐々木昭一郎の映像作品
『マザー』
•1971年 日本 58分
•出演 : 横倉健児/クリスチャンヌ・ジャヌレー/正津房子/ミナ・ガドゲー
神戸を舞台に母親を知らない少年と国籍の違う様々な人々との即興の出会いから、孤独な少年の心の中の母親像を詩的に綴る。ドラマともドキュメンタリーとも区別がつかない演出は放送当時大きな話題となった。佐々木の映像初演出作品にして傑作と名高い一作。モンテカルロ国際テレビ祭ゴールデン・ニンフ賞受賞作品。
『さすらい』
•1971年 日本 91分
•出演 : 渋沢忠男/友川かずき/栗田裕美/笠井紀美子
育った施設を後にした少年が東京や海辺の街をさすらい、そこで出会った人々とのふれあいを通して大人へと成長していくロードムービー的作品。繊細な少年が大人へと成長する様は役柄や演技を超えたリアルな姿として映し出される。友川かずき、遠藤賢司、笠井紀美子などミュージシャンも出演している。
『夢の島少女』
•1974年 日本 76分
•出演 : 中尾幸世/横倉健児/友川かずき/若林彰
少年は川に倒れていた少女を助け介抱する。少女は祖母と暮らした海のある故郷や東京での孤独な日々の記憶を反芻し、少年は少女の存在が心の支えとなっていく。ある日少女は少年の前から姿を消す。繊細な内面を映し出した映像と、パッヘルベルのカノンが織り成す美しい詩篇。中尾幸世が透明感溢れる少女を演じ、以後佐々木作品のミューズ的存在となる。
『紅い花』
•1976年 日本 71分
•出演 : 草野大悟/沢井桃子/嵐寛寿郎/藤原鎌足
タイトルの「紅い花」以外にも「ねじ式」「古本と少女」(「紅い花」収録)などつげ義春原作をモチーフに描いたドラマ。少女の体から水面に散る紅い花、戦下の古本屋を店番する少女と学生など、幻想的なつげ作品の世界観が佐々木のフィルターを通して映像化されている。冒頭の、川の水面から線路へと流れるように映し出すカメラワークは圧巻。
『四季 ユートピアノ』
•1980年 日本 91分
•出演 : 中尾幸世/古沢貞夫/古沢みよ/横倉健児
ピアノ調律師の栄子が四季を通して、音と共に成長していく姿を描く。幼い頃のピアノとの出会い、家族の不幸など様々な過去の記憶と共に、音や人々との出会いを通して成長していく少女を『夢の島少女』の中尾幸世が生き生きと演じる。ドラマで流れるピアノ演奏、イラストは中尾が担当している。文化庁芸術祭・テレビドラマ部門大賞受賞作品。
『川の流れはバイオリンの音』
•1981年 日本 81分
•出演 : 中尾幸世/ルイジ・チゴーリ/マリオ・ザニボーニ/ジャンルーカ
「音楽は川のほとりで生まれた」という佐々木の発想から生まれた「川(リバー)」シリーズ第1作。川のほとりで暮らす人々の暮らしを、町に響く鐘やバイオリンの音色などの「音」を通して描き出す。舞台は北イタリア、ポー川のほとりの町クレモナ。調律師A子は壊れたバイオリンを直しながら、ポー川の流域に住む人々と交流を深める。
『アンダルシアの虹』
•1983年 日本 81分
•出演 : 中尾幸世/アンダルシアの人々
スペインのアンダルシア地方を舞台にした「川(リバー)」シリーズ第2作。「川を見せないでいかに人間の意識の川を表現するか」というテーマの下に描かれた意欲作。あふれる音や色を求めて旅するA子(栄子)と、アンダルシア地方の人々とのふれあいから生まれる意識の「流れ」が描かれている。
『春・音の光』
•1984年 日本 91分
•出演 : 中尾幸世/スロバキアの人々
「川(リバー)」シリーズの第3作。チェコスロバキアを舞台に、母なる川・ロン川の流れを感じ、モーツアルトの旋律があふれる首都・ブラチスラバの町を歩く EIKO(栄子)の姿を通して、人間の生きる姿を「音」と「川」に託して描く。「川」第1作目を見て感動した、チェコのテレビ局からのラブコールで誕生した、日本とチェコによる共同制作作品。この作品以降、佐々木とチェコのスタッフとの共同制作が始まる。
『東京オン・ザ・シティー』
•1986年 日本 61分
•出演 : オルガ・ストルスコヴァ/藤井草平/竹村朋子/長谷川陽子
チェコスロバキアの首都プラハから来日したガラス工芸デザイナー、オルガは花屋の少年 草平や、チェロを弾く少女、近所に住む人々と交流をする。師走の東京を舞台に、楽器・チェロがキーワードとなった映像詩。主演のオルガ・ストルスコヴァはチェコのシナリオライターで、本作の脚本も担当。
『夏のアルバム』
•1986年 日本 81分
•出演 : キルシィ・カスティネン/藤井草平/館野泉/フィンランドの人々
フィンランドの短い夏と人々のあたたかさを描いた作品。音響設計師の父と共にヘルシンキにやってきた少年は地元の村に住む少女と出会い、一夏を過ごす。少女の耳にいつも聞こえる氷が砕ける音が、ドラマの「音」の主題となり、作品に透明感を与えている。NHK・フィンランド放送協会共同制作。
『クーリバの木の下で』
•1987年 日本 91分
•出演 : 木佐貫邦子/オーストラリアの人々
主人公アキコは「クーリバの木の下でトランペットを吹きたい」という言葉を残し連絡が途絶えた恋人を探すため、単身オーストラリアへ渡る。羊の毛を刈り旅をする若者やヘリコプターで診察に向かう医師など雄大な大地を生き抜く人々との出会いを通して、アキコの気持ちは徐々に和らいでいく。
『鐘のひびき プラハからヒロシマへ』
•1988年 日本 76分
•出演 : オルガ・ストルスコヴァ/藤井草平/イトカ・ハラコーバ
日本とチェコスロバキアを舞台に、鐘の音に包まれて生きる人々の姿を、事実とフィクション、現代と過去を交錯させて描く。広島にチェコの鐘をつるし、平和の音を響かせようと夢みた建築家ヤン・レツルの想いと、平和のシンボルである鐘が戦争中は国に提供され武器に姿を変えた歴史的事実を織り込み、名もない人々が鐘の音に託した平和への願いが描かれる。NHK・CSTプラハテレビ共同制作。
『七色村』
•1989年 日本 91分
•出演 : マルタ・ヴァンテュロバ/三田佳子/津田充博/草野大悟
チェコスロバキアを訪れた指揮者は少年時代に慕っていたチェコの女性を思い出し、母や、疎開をした村での出来事を回想する。太平洋戦争の最中に佐々木が単身疎開した和歌山県の七色村での実体験を基に描かれた作品。NHK、チェコスロバキア、プラハテレビ共同制作。バンフ国際テレビ祭特別賞ほか受賞作品。
『ヤン・レツル物語 広島ドームを建てた男』
•1991年 日本 101分
•出演 : ビクトル・プライス/田中好子/ヒロコ・グレース/堤真一
チェコスロバキアの建築家で広島ドーム(原爆ドーム)を建てたヤン・レツルの物語。日本に渡り20年に渡り建築に携わったヤンの芸術家ゆえの苦悩と孤独、愛を描く。現存するヤンの手紙や日記を基に1900年初頭の横浜の町並みが綿密に再現されている。 NHK、CSTチェコ・プラハテレビ共同制作。
『パラダイス オブ パラダイス 母の声』
•1993年 日本 60分
•出演 : 毬谷友子/池辺晋一郎/橋本光成/村田和美
年老いた母親と2人で暮らす作曲家は、幼少時の記憶をたどり、太平洋戦争末期に、老女に導かれパラダイスと呼ばれる山奥をさまよった幻想的な体験を思い出し、やがてそこでの体験を元にした美しいシンフォニーを作り上げる。主演を世界的な作曲家で多くの佐々木作品の音楽を手掛ける池辺晋一郎が演じる。
『八月の叫び』
•1995年 日本 91分
•出演 : 大竹しのぶ/武藤英明/ヴィエラ・クバンコヴァー/ダナ・モラフコヴァー
東京とプラハを舞台に、傷ついた過去を持つ男女が繰り広げる愛の物語。想いを寄せるチェリストを追ってプラハに来た女性は、彼のかつての恋人の謎の死を解く鍵が彼にあることを知る。二人の間で交わされた言葉「スプルース」を巡り展開されるミステリー仕立ての作品。大竹しのぶが一途な想いを貫く女性を好演。大劇場でオペラを歌うシーンでは美しい歌声を披露し、劇場スタッフから絶賛されたという。
•1971年 日本 58分
•出演 : 横倉健児/クリスチャンヌ・ジャヌレー/正津房子/ミナ・ガドゲー
神戸を舞台に母親を知らない少年と国籍の違う様々な人々との即興の出会いから、孤独な少年の心の中の母親像を詩的に綴る。ドラマともドキュメンタリーとも区別がつかない演出は放送当時大きな話題となった。佐々木の映像初演出作品にして傑作と名高い一作。モンテカルロ国際テレビ祭ゴールデン・ニンフ賞受賞作品。
『さすらい』
•1971年 日本 91分
•出演 : 渋沢忠男/友川かずき/栗田裕美/笠井紀美子
育った施設を後にした少年が東京や海辺の街をさすらい、そこで出会った人々とのふれあいを通して大人へと成長していくロードムービー的作品。繊細な少年が大人へと成長する様は役柄や演技を超えたリアルな姿として映し出される。友川かずき、遠藤賢司、笠井紀美子などミュージシャンも出演している。
『夢の島少女』
•1974年 日本 76分
•出演 : 中尾幸世/横倉健児/友川かずき/若林彰
少年は川に倒れていた少女を助け介抱する。少女は祖母と暮らした海のある故郷や東京での孤独な日々の記憶を反芻し、少年は少女の存在が心の支えとなっていく。ある日少女は少年の前から姿を消す。繊細な内面を映し出した映像と、パッヘルベルのカノンが織り成す美しい詩篇。中尾幸世が透明感溢れる少女を演じ、以後佐々木作品のミューズ的存在となる。
『紅い花』
•1976年 日本 71分
•出演 : 草野大悟/沢井桃子/嵐寛寿郎/藤原鎌足
タイトルの「紅い花」以外にも「ねじ式」「古本と少女」(「紅い花」収録)などつげ義春原作をモチーフに描いたドラマ。少女の体から水面に散る紅い花、戦下の古本屋を店番する少女と学生など、幻想的なつげ作品の世界観が佐々木のフィルターを通して映像化されている。冒頭の、川の水面から線路へと流れるように映し出すカメラワークは圧巻。
『四季 ユートピアノ』
•1980年 日本 91分
•出演 : 中尾幸世/古沢貞夫/古沢みよ/横倉健児
ピアノ調律師の栄子が四季を通して、音と共に成長していく姿を描く。幼い頃のピアノとの出会い、家族の不幸など様々な過去の記憶と共に、音や人々との出会いを通して成長していく少女を『夢の島少女』の中尾幸世が生き生きと演じる。ドラマで流れるピアノ演奏、イラストは中尾が担当している。文化庁芸術祭・テレビドラマ部門大賞受賞作品。
『川の流れはバイオリンの音』
•1981年 日本 81分
•出演 : 中尾幸世/ルイジ・チゴーリ/マリオ・ザニボーニ/ジャンルーカ
「音楽は川のほとりで生まれた」という佐々木の発想から生まれた「川(リバー)」シリーズ第1作。川のほとりで暮らす人々の暮らしを、町に響く鐘やバイオリンの音色などの「音」を通して描き出す。舞台は北イタリア、ポー川のほとりの町クレモナ。調律師A子は壊れたバイオリンを直しながら、ポー川の流域に住む人々と交流を深める。
『アンダルシアの虹』
•1983年 日本 81分
•出演 : 中尾幸世/アンダルシアの人々
スペインのアンダルシア地方を舞台にした「川(リバー)」シリーズ第2作。「川を見せないでいかに人間の意識の川を表現するか」というテーマの下に描かれた意欲作。あふれる音や色を求めて旅するA子(栄子)と、アンダルシア地方の人々とのふれあいから生まれる意識の「流れ」が描かれている。
『春・音の光』
•1984年 日本 91分
•出演 : 中尾幸世/スロバキアの人々
「川(リバー)」シリーズの第3作。チェコスロバキアを舞台に、母なる川・ロン川の流れを感じ、モーツアルトの旋律があふれる首都・ブラチスラバの町を歩く EIKO(栄子)の姿を通して、人間の生きる姿を「音」と「川」に託して描く。「川」第1作目を見て感動した、チェコのテレビ局からのラブコールで誕生した、日本とチェコによる共同制作作品。この作品以降、佐々木とチェコのスタッフとの共同制作が始まる。
『東京オン・ザ・シティー』
•1986年 日本 61分
•出演 : オルガ・ストルスコヴァ/藤井草平/竹村朋子/長谷川陽子
チェコスロバキアの首都プラハから来日したガラス工芸デザイナー、オルガは花屋の少年 草平や、チェロを弾く少女、近所に住む人々と交流をする。師走の東京を舞台に、楽器・チェロがキーワードとなった映像詩。主演のオルガ・ストルスコヴァはチェコのシナリオライターで、本作の脚本も担当。
『夏のアルバム』
•1986年 日本 81分
•出演 : キルシィ・カスティネン/藤井草平/館野泉/フィンランドの人々
フィンランドの短い夏と人々のあたたかさを描いた作品。音響設計師の父と共にヘルシンキにやってきた少年は地元の村に住む少女と出会い、一夏を過ごす。少女の耳にいつも聞こえる氷が砕ける音が、ドラマの「音」の主題となり、作品に透明感を与えている。NHK・フィンランド放送協会共同制作。
『クーリバの木の下で』
•1987年 日本 91分
•出演 : 木佐貫邦子/オーストラリアの人々
主人公アキコは「クーリバの木の下でトランペットを吹きたい」という言葉を残し連絡が途絶えた恋人を探すため、単身オーストラリアへ渡る。羊の毛を刈り旅をする若者やヘリコプターで診察に向かう医師など雄大な大地を生き抜く人々との出会いを通して、アキコの気持ちは徐々に和らいでいく。
『鐘のひびき プラハからヒロシマへ』
•1988年 日本 76分
•出演 : オルガ・ストルスコヴァ/藤井草平/イトカ・ハラコーバ
日本とチェコスロバキアを舞台に、鐘の音に包まれて生きる人々の姿を、事実とフィクション、現代と過去を交錯させて描く。広島にチェコの鐘をつるし、平和の音を響かせようと夢みた建築家ヤン・レツルの想いと、平和のシンボルである鐘が戦争中は国に提供され武器に姿を変えた歴史的事実を織り込み、名もない人々が鐘の音に託した平和への願いが描かれる。NHK・CSTプラハテレビ共同制作。
『七色村』
•1989年 日本 91分
•出演 : マルタ・ヴァンテュロバ/三田佳子/津田充博/草野大悟
チェコスロバキアを訪れた指揮者は少年時代に慕っていたチェコの女性を思い出し、母や、疎開をした村での出来事を回想する。太平洋戦争の最中に佐々木が単身疎開した和歌山県の七色村での実体験を基に描かれた作品。NHK、チェコスロバキア、プラハテレビ共同制作。バンフ国際テレビ祭特別賞ほか受賞作品。
『ヤン・レツル物語 広島ドームを建てた男』
•1991年 日本 101分
•出演 : ビクトル・プライス/田中好子/ヒロコ・グレース/堤真一
チェコスロバキアの建築家で広島ドーム(原爆ドーム)を建てたヤン・レツルの物語。日本に渡り20年に渡り建築に携わったヤンの芸術家ゆえの苦悩と孤独、愛を描く。現存するヤンの手紙や日記を基に1900年初頭の横浜の町並みが綿密に再現されている。 NHK、CSTチェコ・プラハテレビ共同制作。
『パラダイス オブ パラダイス 母の声』
•1993年 日本 60分
•出演 : 毬谷友子/池辺晋一郎/橋本光成/村田和美
年老いた母親と2人で暮らす作曲家は、幼少時の記憶をたどり、太平洋戦争末期に、老女に導かれパラダイスと呼ばれる山奥をさまよった幻想的な体験を思い出し、やがてそこでの体験を元にした美しいシンフォニーを作り上げる。主演を世界的な作曲家で多くの佐々木作品の音楽を手掛ける池辺晋一郎が演じる。
『八月の叫び』
•1995年 日本 91分
•出演 : 大竹しのぶ/武藤英明/ヴィエラ・クバンコヴァー/ダナ・モラフコヴァー
東京とプラハを舞台に、傷ついた過去を持つ男女が繰り広げる愛の物語。想いを寄せるチェリストを追ってプラハに来た女性は、彼のかつての恋人の謎の死を解く鍵が彼にあることを知る。二人の間で交わされた言葉「スプルース」を巡り展開されるミステリー仕立ての作品。大竹しのぶが一途な想いを貫く女性を好演。大劇場でオペラを歌うシーンでは美しい歌声を披露し、劇場スタッフから絶賛されたという。
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