2009年1月24日土曜日
音楽 : Yoshi Wada (CD)(3)
★Yoshi Wada "Off The Wall"
EM Records + OMEGA POINT / EM1078CD + OP-0006
ますます加速するヨシワダ探検。今回は最初のLP『ラメント・フォー・ザ・ライズ・アンド・フォール・・・』から3年後にリリースされた、これも今ではレアな『オフ・ザ・ウォール』の復刻である。手がけたのはヨーロッパ・フリージャズの中心的レーベルであるドイツのFree Music Production (FMP)。「なんでFMP?」と思った人も多いようだが、前回の「ジ・アポインテッド・クラウド」の3年前に演奏されていることを考えれば、彼のスタイルは実験的なドローン演奏から、すでに集団的な即興演奏にシフトしていた時期だったのである。
それにしてもこの派手でにぎやかな演奏!『ラメント・フォー・・・』のB面で聴かれる濃密なバグパイプのドローンは、短い反復を延々とタレ流す狂躁的没入演奏に変貌し、40分ぶっ通しで続く。ティンパニが土俗的な楔を打ち込む。この、あくまで「演奏」に重心があるこの録音の後、もともと持っていた空間への興味からインスタレーションへ発展、そしてあの「ジ・アポインテッド・・・」で完成を迎える。整然と配置された「バグパイプ状楽器」のジャケ写真は、まさにその過程を示したものだ。その到達点に向かうパワーが全開でとどろく、これまた超絶ドラッギー傑作なのである。
OMEGA POINT 引用
音楽 : Yoshi Wada (CD)(2)
★Yoshi Wada "The Appointed Cloud"
EM Records + OMEGA POINT / EM1076CD + OP-0005
ヨシ・ワダの名盤の復刻であった前回からさらに踏み込んで、第2弾はなんと未発表作品の発掘である。本作「ジ・アポインテッド・クラウド」は大規模なサウンド・インスタレーションとして1987年に展開され、ヨシワダの代表的な作品として位置付けられているにもかかわらず、彼のこういう活動は、日本にはまったく伝えられてこなかった。ここに収録されているのは、パイプオルガン風の楽器と巨大な金属板やジャンク素材が組み合わされた大規模な自作楽器が、コンピュータの制御で振動したり叩かれたりするインスタレーションに加えて、様々なアーティストが参加した、展示のオープニングを告げるライブ演奏である。これは一般公開されたインスタレーションとは大きく異なる内容で、当時、本演奏を体験した人々によってのみ語り継がれ、半ば伝説化していた1987年11月8日の一夜限りのパフォーマンスなのである。
ヨシ・ワダをはじめとする即興演奏畑のアーティストによるバグパイプ、あのマース・カニングハムの公演でデヴィッド・チュードアらと共演してきたパーカッショニスト、マイケル・パグリース、そしてコンピュータのプログラムを制作したのは、同じ時期にラモンテ・ヤングの演奏でも電子音のアシストをしたデヴィッド・レイナ。
「ラメント・フォー・ザ・ライズ・アンド・フォール・・・・」のような瞑想的な作品から大きく進化し、特に中盤以降の狂躁的ともいえる集団濃密音響は、目眩がするほどにドラッギーな、秘仏開眼法要即興スペクタクル絵巻なのである!。
OMEGA POINT 引用
音楽 : Yoshi Wada (CD)(1)
★Yoshi Wada "Lament For The Rise And Fall Of The Elephantine Crocodile"
EM Records + OMEGA POINT / EM1074CD + OP-0004
ヨシ・ワダ。この伝説のアーティストの作品に接したことがある人ならば、名前を聞いただけで総髪逆立つ快感に襲われるにちがいない。1943年京都生まれで、60年代末にニューヨークに渡り、ラモンテ・ヤングの永久音楽劇場に参加。フルクサスの作家としても知られている。現在もインスタレーションや実験的舞台のための音楽等、多彩な活動をしている。そのヨシ・ワダの最高傑作として名高い「Lament For Rise And Fall Of The Elephantine Crocodile」がついに復刻!オリジナル・マスターテープからの、彼の初のフルCDである。
1000mの地底からの呼び声のような、倍音に満ちたディープ・ヴォイス作(ラモンテの師匠Pandit Pran Nathから学んだ発声法による)と、バグパイプを組み込んだ自作楽器+ヴォイスによるサイケデリック麻薬ドローン。これらラモンテの影響も明らかな音楽は、一度聴けば即刻天国に連れていかれる最強アイテムだ!!しかもオリジナルLPよりもそれぞれ10分も長い完全版!
OMEGA POINT 引用
2009年1月19日月曜日
書籍 : 生田耕作「眼球譚」特装本(サイン) 限定60部
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