■日本でも高い人気を誇るアヴァン・ポップ・バンド、スラップ・ハッピーの創設者であり、ヘンリー・カウでも活動したアンソニー・ムーア。ファウストを送り出したウーヴェ・ネッテルベックのプロデュースにより、1972年に3作目のソロ・アルバムとして制作されたものの、あまりにも実験的な内容ゆえに当時の所属レーベルだった独ポリドールから発売拒否されたいわくつきのアルバム。
■たった12枚のみプレスされたテスト盤LPは、マニアの間では40~60万円で取引されている超コレクターズ・アイテム。
■今回の再発に当たり、ほぼ未使用のテスト盤LPに蒸留水を垂らしながら再生する手法で、宇都宮泰(ex.アフター・ディナー)がアンソニー・ムーア本人と共に決定版的リマスターを制作。1998年にリリースされた英Voiceprint盤再発CDとは大きく異なる生々しい音響空間を創出。実験的でありながらも不思議に心地よく、かつ時に予想外の展開を見せる無二のサウンドスケープ。可能なかぎり大音量でご堪能ください。
■ウーヴェ・ネッテルベック宅から発見された幻のオリジナル・ジャケットが世界初登場。まさに奇跡の再発となる。
■CDのみのボーナス・トラックとして、本作と興味深い関係にあるという、同時期に制作された未発表作品「Stimmgabel」(音叉)を収録。
「リード・ウィッスル&スティックス」は1971年に創作された。当初は、反復と記憶を通じて、音のパターン認識を探ろうと考えていた。流れる水のループを使って実験をしたところ、ループ・ポイントが切れ目なく一致している場合、連続して流れているかのような錯覚は、ループの長さに起因していることに気づいた(ループが短いほど、繰り返しは明らかになる)。しかし、認識の閾値を超えたところに、繰り返されるパターンの事前認識があるのではないか、持っていることを知らなかった記憶から、無意識に構造を理解しているのではないか、ということに興味を持ったのだ。
実際の作品では、水が棒の落ちる音に置き換えられ、“木の滝”となっている。さまざまな音色を獲得するために、長さや太さの異なる複数の短い竹の棒を、金属、木、プラスチック、ガラス、布などの表面にゆっくりと落としている。連続性の錯覚は、ループ・ポイントをより明確にすることにより放棄される。ファルセットの鋭い声が重ねられ、ベルの音がループの再生速度のテンポ・チェンジを示している。突然の叫び声と過剰なペニー(ティン)・ウィッスル(巨大な低周波の妨害音を発生させる)が、落とされる棒の一つのセットの終わりと次のセットのはじまりを告げる。
「Stimmgabel」もまた、1971年にドイツのハンブルグで生み出された。
2021年 セント・レナーズ・オン・シーにて
アンソニー・ムーア
Artist: ANTHONY MOORE
Title: Reed Whistle & Sticks
アーティスト:アンソニー・ムーア
タイトル:リード・ウィッスル&スティックス
商品番号:PCD-27056
フォーマット:CD
価格:定価:¥2,970(税抜¥2,700)
発売日:2022年1月12日(水)
●解説:東瀬戸悟
●初回生産限定紙ジャケット仕様
●日本独自CD化
●ボーナス・トラック1曲収録
収録曲
1. Reed Whistle & Sticks, Part 1
2. Reed Whistle & Sticks, Part 2
3. Stimmgabel (Bonus Track)
Artist: ANTHONY MOORE
Title: Reed Whistle & Sticks
アーティスト:アンソニー・ムーア
タイトル:リード・ウィッスル&スティックス
商品番号:PLP-7791
フォーマット:LP
価格:定価:¥4,950(税抜¥4,500)
発売日:2022年7月13日(水)
●完全限定生産
●日本独自LP化
収録曲
A) Reed Whistle & Sticks, Part 1
B) Reed Whistle & Sticks, Part 2
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