2012年4月16日月曜日

音楽 : 高柳昌行 Encounter And Improvisation / 即興と衝突


高柳昌行

Encounter And Improvisation / 即興と衝突

モビース/地底レコード / JPN / CD / MC10017 / JZ120330-02 / 2012年04月15日

3人のミュージシャン、日本のフリージャズ界を牽引する孤高の人・高柳昌行(g)、ドイツアバンギャルドの旗手ペーター・コヴァルト(b)、天衣無縫にして繊細な若手・翠川敬基(vc)が東京でクロスし、そしてまたそれぞれの道へと歩んでいった。その一瞬の営みが、このCDに記されている。
あの時、つまり今から29年前、1983年という時間と空間、フリージャズを取り巻く状況はどうであり、
彼らにとってはどのような位置づけにあったのだろうか。このCDがその一コマを確かな形で切り取っているように思う。それぞれが互いに音をさぐり合い、内なる深い井戸から絞り出された音を紡ぎ出す。3人三様の音が波紋を広げ渾然一体となってあふれ出し、また個々の沈黙の世界に立ち戻る。演奏中にレコードの針のノイズを重ねる高柳。その遥か向こうに、北海道ソロツアーを経てアクション・ダイレクトへとつながる、終わりのない始まりの道が垣間見えてくる。 アジアの東の果てで、緊張と弛緩の禅問答を楽しんだペーター・コヴァルト。彼はロンドン、ギリシャ、ニューヨークへと、多彩な芸術とのインタープレーを交え、吟遊詩人のように旅立っていった。

Track
1. 即興と衝突 (44分)

Recorded at Studio 200 Ikebukuro Tokyo on Apr. 29 1983
Produced by 副島輝人 Teruto Soejima Mobys Record
Executive Producer by 吉田光利 Mitsutoshi Yoshida Chitei Records
Photos by 手島荘子、大高隆 and 南達雄 Tatsuo Minami

ライナーノート 玉井新二

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