『高等魔術の教理と祭儀』(1856年)、『魔術の歴史』(1860年)に続く、1861年に成った近代オカルティズムの祖レヴィによる魔術三部作の完結篇。オカルティズムの奥義とは何か。それを知ればいかなる力が得られるのか。そもそもそのような奥義は存在するのか。「オカルト=隠す」の原義からすれば、最後までその謎は謎のまま終わるのだろうか。はたまた、隠者レヴィにとってオカルティズムが究極の革命思想であったことに鑑みれば、社会変革の何らかの啓示がもたらされるのだろうか。黒い聖典『魔術の歴史』で予告された大神秘の鍵の行方は如何に。
『高等魔術の教理と祭儀』、『魔術の歴史』に続く、レヴィ“魔術三部作”の完結篇。近代オカルティズムの祖と称されるのにふさわしく、社会変革の夢に裏打ちされたその隠秘学は、ボードレール、リラダン、マラルメ、イェイツ、ジャリ等の同時代の象徴派詩人はもとより、ブルトンを始めとするシュルレアリスト、ジョイス、ミラー等の現代の重要な作家たちにも絶大な影響を及ぼしつづけている。わが国においても、日夏耿之介、生田耕作、澁澤龍彦等の熱讃者が後を絶えない。三部作の掉尾を飾る本書において、大奥義の何たるかがようやく明かされることになるのか否か、はたして如何。
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